Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
Biz Law Hack本館はこちら。http://bizlaw.ldblog.jp/

続きです。

3.管理報酬は低いほどよいのか

前回整理したとおり、管理報酬を低く抑えることで、投資案件を成功させようというインセンティブは強まります。その結果、ファンド運営者は投資案件に真剣に取り組むようになるという意味では、管理報酬は低いほうが望ましいといえます。

でも、注意が必要です。

管理報酬が低いと、投資案件によるプラスで、管理報酬が足りない分を埋めようという邪念が入ります。
その結果、ファンド運営者の利益と投資家の利益が食い違い、エグジットの際の交渉などで、ファンド運営者の頑張りに差が出てきてしまいます。

したがって、適切なインセンティブという意味では、高すぎも安すぎもしない、適切な管理報酬が一番良いということになります。

この点については、議論が雑ですが、気になる方はどこか別のところで補完してください。

4.一律2%の問題点

適切な管理報酬額というのは、必ずしもファンドの大きさに比例しません。ファンドの規模が10倍になっても、適切な管理報酬額は10倍よりも少ないのが通常と思われます。

ですので、ファンドの規模にかかわらず2%というのは、インセンティブという意味では必ずしも適切でないのではないかと思います。

前回、管理報酬として適切な額が5億円と固定して3つの例をあげましたが、だいたいあんなイメージです。
大きなファンドでは2%は多すぎ、小さなファンドは2%では少なすぎます。


続きます。
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2.インセンティブを考える

管理報酬でカバーされる範囲を正確に把握することは非常に困難ですが、少なくとも桁数レベルでは把握できるのではないかと思います。
投資案件に関する費用について大きな論点がありますが、場合分けをして思考を進めることができると思います。

これをベースにファンド運営者のインセンティブの観点から、管理報酬が適切であるかをだいたい考えることができます。

例として、管理報酬の根拠からは、年間の管理報酬額として、適当な利益込みで5億円がふさわしい場合を考えてみます。

①ファンドの規模(基本的にコミットメント額で計算。)が250億円である場合

管理報酬を2%とすると、ちょうどのは適切であると考えられます。

②ファンドの規模が1000億円である場合

1000億円の2%は20億円となります。5億円で適切なところを20億円を受領することになるので、管理報酬だけで15億円も余計に利益が出ます。

このような状況になると、ファンド運営者は、成功報酬又はキャリード・インタレストを稼がなくても十分な収益をあげられることになります。
その結果、投資案件を成功させようというインセンティブは相対的に弱まります。

③ファンドの規模が50億円である場合

50億円の2パーセントは1億円です。
5億円-1億円で、4億円の赤字です。
ファンド運営者としては、何としても投資案件を成功させて、成功報酬又はキャリード・インタレストを稼がなくてはなりません。
その結果、投資案件を成功させようというインセンティブは強くなります。


続きます。

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Private Investment Fundの授業で読んだ資料に関連して、PEファンドの管理報酬の金額について考えたので、整理してみます。

管理報酬は、(直近の状況はわかりませんが)2%が相場だと理解しています。

この2%について、これまで真剣に考えたことがなかったのですが、ファンド運営者(無限責任組合員、業務執行組合員、ジェネラル・パートナーなど)へ適切なインセンティブを与えるためには、少し整理して考えたほうがよさそうです。

1.管理報酬の根拠を考える

まず、管理報酬は、ファンド運営者のどのようなサービスに対して支払われるかを考える必要があり、主要なものとしては、キャピタル・コールに関連する事務、会計・税務に関する事務処理、ファンド資産の管理、ファンド資産の計算・利益分配に関する事務、契約書の管理(必要に応じた契約の変更も含む。)に関する事務などが挙げられます。これに伴う人件費も管理報酬でカバーされることが期待されていると思います。

ただし、ファンドの運営に関連して生じる費用は、ファンド資産のなかから管理報酬とは別に支払われるため、管理報酬でカバーされる範囲は、ファンド費用の範囲との相関関係によって決まります。例えば、会計に関する事務に関して発生する監査法人の報酬がファンド費用に含まれるのであれば、管理報酬でカバーすべき範囲からは外れます。

投資案件に関する費用をどう考えるかは難しい判断を含みます。投資家サイドとしては、案件発掘に関する費用まで成功報酬又はキャリード・インタレストでカバーすべきと主張したいところですが、ファンド運営者からは、投資案件を発掘して投資することがファンドの活動の本質であり、これも「管理」にほかならないとの主張があると思います。

続きます。
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