Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
Biz Law Hack本館はこちら。http://bizlaw.ldblog.jp/

2010年10月

続きです。

3.ファンドのGPの組織構成を決める

適格機関投資家等特例業務を使う場合、ファンド運営者(GP)は法人でも個人でも組合でもOKです。

ただし、投資事業有限責任組合であってもGPは無限責任なので、GP会社を設立して自分は株主兼マネジメントになるという選択もありえます。

会社だと二重課税が起きてしまうので、仲間がいる場合には、有限責任事業組合を使う案もあります。

4.出資してくれる適格機関投資家にあたりをつける

これが一番大事です。適格機関投資家が出資してくれなければ、適格機関投資家等特例業務に該当しません。

適格機関投資家がいないファンドは金融商品取引法上の登録が必要になるので、出資してくれる適格機関投資家がいなければお手軽なファンド作成はかないません。

なお、「お手軽」と言っていますが、登録する場合に比べて相対的に負担が軽いだけで、適格機関投資家に投資してもらえるようなファンドを作るためのはそれなりに大変だと予想されます。

5.適格機関投資家等特例業務の届出をする

これ自体はそんなに大変ではありません。

届出をしないでやると、無登録で金融商品取引業を営むことになってしまいます。


続きます。

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今日は私募ファンドのレシピです。

「Hedge Fundのレシピ」としたほうがキャッチーかなぁと思ってタイトルを付けましたが、私募ファンド全般にあてはまるレシピだと思います。

比較的手軽な、日本で適格機関投資家等特例業務を使って作ることを想定しています。

1.投資方針を決める

一番大事なことですね。投資家に出資してもらうえるような魅力的な投資方針をつくることが大事です。

2.ファンドの形態を決める

基本的には民法上の組合にするか、投資事業有限責任組合にするか、の二者択一だと思います。

民法上の組合だと契約の自由度が高くて登記不要ですが、無限責任です。

投資事業有限責任組合だと投資家の有限責任が魅力ですが、ある程度法律の縛りがあるうえ、登記が必要です。

レバレッジなしのエクイティ投資なんかだと、ファンドの資産がマイナスになることは基本的にはないので、民法上の組合でもよさそうです。

民法上の組合を前提としてファンドの組成をスタートして、投資家の反応次第で投資事業有限責任組合に切り替えるというのもありうると思います。


続きます。


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インベストメント・アドバイザーの報酬は、投資顧問法(Investment Advisers Act of 1940)によって規制されています。

ミューチュアルファンドの場合、ヘッジ・ファンド等と比べ、インベストメント・アドバイザーが請求しうる報酬の種類は限定されています。

重要なものとしては、投資顧問法Section 205が挙げられます。同条a(1)は、成功報酬を原則として禁止しています。

ただし、Section 205(b)(2)では、インベストメント・アドバイザーが"fulcrum fee"(ミューチュアル・ファンドの投資成績が適切な指数を上回る時には追加的な報酬、ミューチュアルファンドの投資成績が当該指標を下回る場合には割合に応じて少ない報酬)を受領することを許容しています。

また、Rule 205-3は、ファンドの各持分保有者が適格顧客(qualified client。1.5百万ドルの純資産を有する者又は当該インベストメント・アドバイザーにおいて750千ドルの運用資産を有する者。)である場合など所定の要件を満たす場合、ミューチュアル・ファンドのインベストメント・アドバイザーがfulcrum fee以外の成功報酬を請求することを許容しています。

投資会社法Section 36(b)では、サービスに対する報酬の受領について、インベストメント・アドバイザーの信任義務(fiduciary duty)を課しています。

そして、かかるインベストメント・アドバイザーに信任義務違反があった場合、ファンドの持分保有者は民事訴訟を提起することができるとされていますが、信任義務違反についてファンド持分保有者の主張を認める裁判例はそれほど多く無いようです。

また、先例法上では、関連する諸事情を勘案して合理的な報酬であることが必要であるとされています。


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ミューチュアル・ファンドがインベストメント・アドバイザーとの間で締結する契約は、何よりも大事なものです。

その契約については投資会社法Section 15が定めています。

まず、インベストメント・アドバイザーとの契約は、形式面で以下の要件を満たす必要があります(Section 15(a))。
  • 書面によって締結されること
  • 当該契約に基づき支払われるすべての報酬を正確に記載すること
  • 何らの罰則なく、取締役会又はは持分保有者の議決権の過半数によって、インベストメント・アドバイザーへの書面による60日以上の通知をすることにより、いつでも契約を終了しうることを定めていること
  • 譲渡(assignment)があった場合には自動的に終了する旨を定めていること
また、手続き的には以下の要件が定められています。
  • 持分保有者の議決権の過半数によって承認されること
  • 締結の日から2年以上の効力を有する場合には、取締役会又は持分保有者の議決権の過半数によって年に一度以上承認されること
加えて、Section 15(c)では、利害関係者でない投資会社の取締役の過半数がその目的により承認された、取締役が実際に集まって行われる(in person)会議で契約の条件及び更新を承認することを求めています。

この承認にあたって、Section 15(c)は、ミューチュアル・ファンドの取締役は、インベストメント・アドバイザーとの契約の契約条件を評価するのに合理的に必要な情報を請求し評価する義務を負い、インベストメント・アドバイザーは当該情報を提供する義務を負うと定めています。


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独立取締役の役割についてです。

Section 15(c)では、ミューチュアル・ファンドがインベストメント・アドバイザーとの間で締結する投資顧問契約についは、取締役会の過半数の承認に加えて、独立取締役の過半数の承認を必要としています。

同じく、Section 15(c)は、ミューチュアル・ファンドの募集(distribution)契約が、締結時及び年に一度以上、取締役会の過半数に加えて独立取締役の過半数により承認されることを求めています。

この他、募集(distribution)計画について定めるRule 12b-1では、募集計画が当初及び年に一度以上、ファンドの取締役及び独立取締役の過半数によって承認されることを求めています。

Rule 38a-1は、コンプライアンス・プログラムの承認やチーフ・コンプライアンス・オフィサーの選任やその報酬の決定についても、ファンドの取締役及び独立取締役の過半数の賛成が必要とされています。

Section 32(a)では、独立取締役の過半数により年次総会の議決にかける独立の公認会計士候補を選任するとしています。

その他にもいろいろありますが、以下略。


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