Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
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2011年01月

ETF持分は、市場価格で取引されるため、市場価格と純資産額との間に乖離が生じることがあります。

この乖離に関しては、認定参加者(委託を受けて行う場合も含みます。)は、クリエーション・ユニットの購入・解約によって裁定取引を行います。

もし、ETF持分の市場価格が純資産額よりも低い場合、認定参加者はクリエーション・ユニット分のETF持分を市場で購入して解約を請求します。この場合、解約バスケットの価格はクリエーション・ユニットの価格よりも高いので、認定参加者は利益を得ることができます。

逆に、ETF持分の市場価格が純資産額よりも高い場合、認定参加者は購入バスケットを構成する資産を買い集め、設定を請求します。この場合、購入バスケットの価格はクリエーション・ユニットの価格よりも低いので、認定参加者は利益を得ることができます。

認定参加者の行うこのような裁定取引の結果、ETF持分の市場価格は純資産額に近づくこととなります。ただし、ETFの投資対象の流動性が低い場合、裁定取引が思うように実行できず、市場価格と純資産額に乖離が生じる可能性がありますので、注意が必要です。

このような裁定取引には、ETFのポートフォリオの構成がどのようになっているかを知る必要があります。

指数連動型のETFは、ポートフォリオの開示を義務付けられていませんが、日々、購入バスケット及び解約バスケットを開示しています。購入バスケット及び解約バスケットは、ETFのポートフォリオと一致するとは限りませんが、この情報を元に裁定取引が行われます。

積極運用型ETFの場合、日々、全体のポートフォリオを公表することが求められていますので、この情報を元に裁定取引が行われます。

また、取引所は、取引時間中、購入バスケット・解約バスケットの1持分あたりの現在価格の概算を15秒ごとに開示しています。指数連動型ETFについては、関連する指数の現在価値についても開示されています

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2.クリエーション・ユニットの発行

ETF持分のクリエーション・ユニットを購入する認定参加者は、ETFにより特定される資産で構成される購入バスケット(purchase basket)を取得した上で、設定を請求します。

認定参加者は購入バスケットを預託し、クリエーション・ユニットを受領します。

購入バスケットは、ETFのポートフォリオを構成する資産に対応する資産で構成されるのが一般的です。たとえば、あるETFが20行の銀行の普通株式に5%ずつ投資している場合、購入バスケットもその20行の普通株式5%ずつで構成されます。

購入バスケットは、クリエーション・ユニットの純資産額合計と等しい価値を有します。

クリエーション・ユニットの購入後、認定参加者はETF持分を保有し続けることも、流通市場で売却することもできます。

2.クリエーション・ユニットの解約

解約プロセスは、発行プロセスの逆です。

認定参加者は、クリエーション・ユニット数のETF持分を取得し、ETFに対して解約を請求します。

認定参加者は、ETFに対してクリエーション・ユニットを交付し、ETFの特定する資産で構成される解約バスケット(redemption basket)を受領します。解約バスケットは、クリエーション・ユニットの純資産額合計と等しい価値を有します。

解約バスケットとして指定される資産は、購入バスケットとして指定される資産と同じであることが一般的です。

4.現物での設定・解約と現金での設定・解約

ほとんどのETFにおいて、設定・解約は現物ベースで行われます。ETF持分の設定・解約は、特定の有価証券またはその他の資産のバスケットとの交換で行われます。

ただし、ETFによっては、現金をクリエーション・ユニットの対価として許容または指定することができるとしているものもあり、また現金のみで設定・解約 を行っているものもあります。ポートフォリオを構成すべき資産の譲渡可能性が限定されている場合などに現金での設定・解約が選択されます。

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ETFは、投資家による換金手段が主として流通市場である点で、ユニット・インベストメント・トラストやクローズド・エンド・ファンドと同じ性格を持っていますが、クローズド・エンド・ファンドと異なり設定・解約も可能となっています。

今回はその設定・解約についてまとめます。

1.クリエーション・ユニットでの設定・解約

ETFは、伝統的なミューチュアル・ファンドと異なり、個々の持分についての設定・解約は行いません。

典型的には、認定参加者(Authorized Participant)としてETFとの間で契約を締結したブローカー・ディーラーのみが、純資産額(申し込みの受領後に計算されます。)で、ETF持分の購入又は解約を行うことができるとされます。

この設定・解約は一定数の持分でまとめて行う場合にのみ認められます。この一定数の持分は、クリエーション・ユニット(creation unit)と呼ばれます。クリエーション・ユニットの数はETFごとに異なりますが、25,000から100,000持分で1クリエーション・ユニットとされるが典型的のようです。


続きます。
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ETFは、一般的にユニット・インベストメント・トラストまたはミューチュアルファンドとして組成されます。

1.ユニット・インベストメント・トラストとして組成されるETF

通常のユニット・インベストメント・トラストについては、これまでまとめたことが基本的にはそのまま該当します。繰り返しもありますが、ユニット・インベストメント・トラストとして組成されたETFの特徴は以下のとおりです。
  • 信託契約により組成される。
  • 受託者を有するが、取締役会または受託者委員会を持たない。
  • 積極的な投資を行わず、指数に連動することを目的とする。
  • ポートフォリオは固定されており、基本的に指数を複製する有価証券で構成される。
(2) ミューチュアルファンドとして組成されるETF

ミューチュアル・ファンドとして組成されるETFは、前に書いたとおり、コーポレーション又はビジネス・トラストの法形態をとるのが一般的です。

ミューチュアル・ファンドとして組成されたETFの特徴は以下のとおりです。
  • 取締役会または受託者委員会を有する
  • ポートフォリオ運用、配当の再投資、ポートフォリオ証券の貸付け、Rule 12b-1プランの作成など、行うことができる行為の範囲が広い
  • 指数連動型としても積極運用型としても組成可能である
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1.ETV

ETV(Exchange Traded Vehicle)とは、取引所に上場し、そこで取引されるファンドのうち商品(commodity)または商品を基礎とした金融商品に投資するものをいいます。広義のETFに含まれますが、狭義のETFとは法規制の面で違う取り扱いがされるので、区別される場合があります。

ETFとETVと並べて論られていることがありますが、その際には狭義の意味として有価証券に投資するもののみを意味することになります。

詳しくは後ほどまとめますが、ETVは投資会社に該当せず、投資会社法上の登録が必要とされません。そのかわり、Commodity Exchange Actなど、投資会社に該当するETFとは異なる規制に服することとなります。

2.ETN

ETN(Exchange Traded Note)とは、取引所に上場し、取引される債券をいいます。その価格は基礎となる有価証券指数、商品指数又は通貨指数に連動するように設計されています。

ETNは、取引所において、純資産額ではなく交渉価格で売買が可能である点など多くの部分でETFに類似しますが、ETNは、優先・無担保の債券である点で大きな相違点があります。

すなわち、ETNは債券として発行者の信用及び弁済可能性に影響を受けます。ETFの場合、投資対象に対する所有権的な権利がありますが、ETNの場合は発行者に対する債権的権利のみとなります。

ETNもETFと同じく、指数などに連動するように設計されますが、ETNの場合これはあくまでもこれは参照用に用いられるのみで、裏付け資産というものは存在しません。

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