Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
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2012年04月

金商法の開示規制に従って開示された書類の縦覧期間については、金商法25条に規定があります。

有価証券届出書(通常)は5年です。
有価証券報告書は5年、四半期報告書は3年です。
臨時報告書は1年です。

これだけ見てもあんまりアンバランスな感じはしません。

でも、有価証券届出書も参照方式だと1年だけです。有価証券届出書(通常)と比べて少しアンバランスな気がします。

これは、以下の理由に基づくと推測されます。
  • 参照方式の有価証券届出書の実質的な中身は有価証券報告書であるので、実質的な中身は5年間の縦覧。
  • 参照方式の有価証券届出 書特有の情報である募集・売出しに関する情報は募集・売出しが終われば縦覧の必要性がなくなるので、長期間開示する必要がない(必要な範囲で事後の有報に反映される)
また、発行登録書と発行登録追補書類は、「効力を失うまで」です。結構アンバランスに見えます。発行登録書が効力を失う直前に提出した発行登録追補書類は提出直後に縦覧が終わってしまいます。あまり意味が無いかもしれませんが、発行登録書を取り下げることで(金商法23条の7)縦覧を早期に終わらせることもできます。

これも、参照方式の有価証券届出書と同じ理由で、短期間で縦覧が終了するのだと推測されます。

このように、これらの書類の縦覧期間が短いのは合理性がありそうですが、前の募集・売出しの証券情報を見たいときに縦覧が終わっているのは不便なので、ぜひとも5年にしてもらいたいところです。

臨時報告書の1年も短すぎるので是非長くしてもらいたいところです。大型の企業結合とか1年以上かかったりしますし。


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JOBS ACTについて少し前に紹介しましたが、理論的に興味深い点があります。

金商法上、「勧誘」という概念は非常に広く、投資家に有価証券を買いたくなるような気持ち持たせるようなものを全部含みますが、米国証券法上も同様に広いものとされています。

参考までに、Section 2(a)(3)の定義。 
The term "offer to sell", "offer for sale", or "offer" shall include every attempt or offer to dispose of, or solicitation of an offer to buy, a security or interest in a security, for value.   

現行の建付けでは、需要を喚起するような行為があると勧誘行為ありとされ、公募に該当することになります。私募に関するRule 506などでは、general solicitationは禁止されています。

ところが、JOBS ACTによりこれがなくなるため、需要を喚起するような行為をしても私募のまま取り扱われることとなります。

これまでは、需要を喚起する行為を行うことで購入圧力が生じて・・・ということで勧誘は禁止すべきという議論があるのですが、このべき論は後退していくのではないかと思います。

日本では少し前にファンド持分(金商法2条2項5号など)の勧誘について、勧誘行為をどれだけ幅広くやっても、出来上がりベースで500人いかなければ私募というルールになっています。「勧誘行為を禁止する意味がどれだけあるのか」という議論が進んでいても良さそうですが、あまり進展はなかった気がします。

これから、アメリカではそういった議論が進むはずなので、日本でも議論が深まっていくんでしょうね。


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4月11日から、JOBS Actの意見募集が始まりました。
http://www.sec.gov/news/press/2012/2012-60.htm

JOBS Actとは、Jumpstart Our Business Startups Actの略です。

無理やりJOBSにしようとするあたり、HIRE Actに通じる邪悪さを感じますが、これは全然邪悪な法律ではありません。

内容としては、証券法・取引所法の開示義務を緩和するものです。

法律の名前からするとスタートアップの会社に関する法律に見えますが、スタートアップに限らず開示義務を緩和している点もあります。

たとえば、取引所法Section 12では一定の株主数・株式額の会社についてSEC登録義務を定めていますが、JOBS Actにより基準が緩和されます。なお、12g3-2(b)についてはこちらを参照。

また、Reg DのRule 506については、accredited investorのみを対象とするのであれば、general solicitation/general advertisementは禁止されなくなります。 general solicitation/general advertisement があっても私募として扱ってくれるとは、かなり太っ腹です。

さらに、Rule 144Aでも、 general solicitation/general advertisement が認められることになります。ただし、買い手が適格機関購入者(QIB)の場合か、QIBだと合理的に信じた場合に限られるようなので、どの程度実務に影響があるかはわかりません。

この他、クラウドファンディングについて定めており、英文ニュースなどではここにフォーカスするものも多いですが、日本にいる限り、実務的には重要性は乏しそうです。

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米国に、HIRE Actという悪名高い法律があります。正式名をHiring Incentives to Restore Employment Actといいます。略称をHIRE Actにしようと名前を無理してつけた感じからも、かなり邪悪な雰囲気が醸しだされています。

これは、いま話題のFATCAについて定めていたりもします。FATCAについては過去にエントリがあるので、興味のある方はこちらを参照。

今回のエントリは、FATCAではなく、米国源泉利子の源泉徴収についてです。

内国歳入法Section 871(h)とSection 881(c)は、 米国に源泉のある利子について一定の要件を満たす場合、非米国人に対する課税を免除しています。

これまで(3月18日以前)の免除要件は、以下のとおりでした。
  • 記名式のものはあれこれ書類を整えた場合に限り、免除。
  • 無記名式のものは、ゆるく免除。
3月19日以降、下のほうの免除がなくなりました。そのため、無記名で出す社債なんかは30%の源泉徴収が適用されてしまいます。

何が記名式か、というのはIRSがガイドラインを出しています。No.2012-20というのが新しく出たものです。基本的に振替制度を使っていれば記名式でよいのですが、現物債と交換可能だったりすると無記名式として取り扱われます。

いままでは、無記名式にしたほうがお得だったものが、記名式にしないと損するということで、取扱いを変える必要がある場面も多いと思います。

記名式の場合、あれこれ書類を整える必要があるのですが、これについては、FRTO(Foreign-targeted Registered Obligation)の例外というのがあります。2014年1月1日までの時限的なものですが、書類要件について多少緩和されています。


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