3.キーパーソン条項トリガーの効果(PEファンドの場合)

投資家としては、キーパーソンがファンドを離れてしまった場合、ファンドの活動をストップさせる必要があります。変な人に自分の大切なお金の運用を任せることはできません。

もっとも、ファンドの活動をストップさせるといっても、いくつか選択肢があります。

(1)キャピタルコールを一時凍結する

資金を追加的に出資するのは危険すぎるので、これをストップする方法です。

凍結を解除する方法も決めておく必要があります。ファンド構成員の一定割合以上の承認などを凍結解除事由とする方法などが考えられます。

(2)投資活動を凍結する

出資された資金を使って行う投資活動をストップする方法です。

キャピタルコールから投資までの間にキーパーソンがいなくなった場合をカバーします。
目利きがすんでいる状態なので、ここまでストップする必要があるかは要検討です。案件をストップすることで契約相手方(株式の売主など)に違約金を支払う必要が出てくる可能性もあるので、慎重な検討が必要です。

ただし、キャピタルコールで得た資金を投資活動以外に充てることができてしまう場合には、資金を変に使われてしまう可能性もあるので注意が必要です。

凍結解除方法を決めておく必要については(1)と同様です。

(3)投資期間の終了

一時凍結ではなく、投資期間自体終了してしまい、新規のキャピタルコールや投資活動をストップする方法です。

この方法だと、キーパーソン条項がトリガーされた場合、ファンドは投資対象の保持・売却のみを行うことになります。

投資期間が終了により管理報酬が減額されるアレンジがなされている場合、キーパーソン条項のトリガーにより管理報酬が減額されます。

キャピタルコールをしてしまった投資については例外的に投資可能とするアレンジもありえます。

上記(1)または(2)による一時凍結後、凍結解除できずに一定期間経過してしまった場合、この(3)の効果が生じるというアレンジもありえます。

(4)ファンドの解散

キーパーソンがファンドを離れてしまったらすぐに資金を返してほしいということもあると思います。ハンズオンファンドの場合、重要な役割を担う人がいなくなってしまったら、投資対象の価値向上は見込めないと考える投資家もいると思います。

この場合には、キーパーソン条項の効果としてファンドの解散を規定します。あるいはファンドからの脱退権が発生すると規定することもできます。

とはいえ、流動性の低い資産に投資している場合、ファンドの解散やファンドからの脱退を認めることは投資対象の資産としての価値をさらに下げることになりかねませんので、このような規定を設けることには慎重になったほうがよいと思います。