4.いくつかの問題点

(1)割合の問題

ファンドが行うある投資について、一部のファンド構成員が参加しない場合がありますが、この場合、出資未履行金額の残割合が投資家ごとに異なることとなります。

上記の例で言うと、投資案件1に必要な3億円はすべてAの出資でまかなわれたとします。この場合、投資案件1の後には出資未履行金額は以下のようになります。

 A:出資未履行金額 2億8800万円
 B:出資未履行金額 3億9200万円

投資案件2もファンドの初年度中(=2年目の管理報酬未発生)に生じた場合、どのような割合で出資がなされるべきでしょうか。
  • 出資未履行金額の残額割合に応じて
  • 出資約束金額の割合に応じて
あとで困らないように契約書できっちり決めておく必要があります。

(2)使わなかった資金をどうするか

キャピタルコールしてしまったものの、使わなかった資金をどうするかも契約書で決めておく必要があります。

キャピタルコール方式を選ぶ理由からすると、あまった資金はファンド構成員に返却したほうがよさそうですが、返金するにもコストがかかるので、安全な運用をするという選択肢もあります。

契約書に一つの方法を決めてしまうと後の柔軟性を奪ってしまうので、いくつか選択肢を列挙してファンド運営者が決めるというアレンジも可能です。

(3)キャピタルコールのための通知内容

キャピタルコールのための支払通知に出資を求める金額と期限が記載されるのは当然ですが、そのほかに何を記載すべきかについて契約書で定める必要があります。

ファンド構成員としては資金使途についても知りたいところですが、タイミング的に公表できない場合もありえるので、ある程度の柔軟さを残しておくと後で困らないと思います。