2.アップリートの必要性

アップリートは、不動産の含み益に対するREIT設立時の課税を避けるためのスキームです。

含み益を有する不動産を新たに設立するREITに現物出資し、現物出資者がREITの支配(control)する場合には、原則として内国歳入法Section 351(a)により、現物出資は課税イベントとなりません。

しかし、支配要件を満たさない限り、課税イベントとされてしまいます。

また、Section 351(e)とこれに基づくTreas. Reg. Section 1.351(c)(1)は、Section 351(a)の適用除外を定めており、投資会社(Investment Company)への現物出資によって、出資者の持分が分散(diversification)する結果となる場合には、現物出資は課税イベントとされま す。

REITは投資会社法は投資会社に該当しないことが多いのですが、Section 351(e)との関係ではTreas. Reg. Section 1.351(c)(1)により投資会社と扱われます。

また、不動産をREITに組み込むことは、不動産保有者の持分の分散を意味しますので(他の投資家の資金が入る等の理由から)、REITに直接現物出資をしてしまうと課税イベントとされてしまいます。

この問題を避けるため、UPREITというスキームが用いられます。

組合への現物出資はSection 721が適用されますが、同(a)は出資後の支配の有無にかかわらず原則として課税イベントとならないと規定しています。

また、同(b)はSection 351(e)と同様の適用除外を定めていますが、運営組合はREITと異なり、投資会社には該当しません。

したがって、アップリートを用いることによって、含み益を有する不動産の課税を繰り延べることが可能となります。
不動産所有者の取得した運営組合の持分が、アップリートの持分又は金銭と交換された場合に、課税が発生します。

これに加えて、アップリートには相続時のメリットもあります。

運営組合の持分保有者が死亡した場合、Section 1014(step-up in basis rules)が適用され、受益者(beneficiaries)は当該持分に係る相続時の時価をその持分の取得費をとすることができます。