所得要件として、REITは毎年以下の2つを満たす必要があります。
  • 95%テスト(Section 856(a)(7)、(c)(2))
  • 75%テスト((a)(7)、(c)(3))
なお、かつて所得要件として30%テストもありましたが、これは現在はありません。

1.95%テスト

REITの総所得の95%以上がSection 856(c)(2)に列挙されるものがであることが求められます。

Section 856(c)(2)に列挙されるものとしては、配当、利子(interest)、不動産からの賃料(rents from real property)、株式、有価証券及び不動産の処分益などのがあります。

2.75%テスト

REITの総所得の75%以上がSection 856(c)(3)に列挙されるものがであることが求められます。

Section 856(c)(3)に列挙されるものとしては、不動産からの賃料(rents from real property)、不動産によって保証された義務から発生する利子、不動産の売却益、不動産モーゲージによって保証された義務の売却益、他のREITからの配当、適格一時的投資所得(qualified temporary investment income)などがあります。

なお、適格一時的投資所得の意義についてはSection 856(c)(5)(D)に規定があります。

3.不動産からの賃料

不動産からの賃料の意義についてはSection 856(d)に規定があります。

かなり複雑な定義となっていますが、大雑把に言って以下のとおりです。
ー不動産の賃料と管理料を含む。
ー不動産の賃貸に関連する動産の賃料も全体の15%以下であれば含む。
ー賃借人の収入に連動するものは含まない(ただし固定割合の場合はOK)。
ー関連当事者賃借人(related party tenant)からのものは含まない。
ー(d)(7)に定義される「許容されない賃借サービス所得」(impermissible tenant service income)は含まない。

関連当事者賃借人とは、REIT又はREIT持分を10%超保有する者によって、10%超の持分を保有されている賃借人をいいます。


続きます。