4.追加クロージングの制限

追加クロージングは、既存のファンド構成員にとって不利な面があります。

たとえば、新規の投資家はファンドの初期投資成績を見てからの投資判断となるため、既存投資家の投資にただ乗りができてしまいます。すなわち、既存投資家のリスクにより投資された初期の投資案件で得られた利益について、新規の投資家がただ乗りでいてしまいます。

また、ファンドの持分割合が希釈化するため、ファンドに対する影響力も相対的に下がることとなります。

そのため、追加クロージングについては、時期と金額について制限が課されることが一般的です。

なお、追加クロージングの時期の制限は、ファンド運営者のリソースを投資活動に集中させる意味でも契約書に規定しておくことが望ましいといえます。

5.追加出資権

既存投資家に対して、新規投資家加入の際に自己の出資約束金額の増額を求める権利が与えられることがあります。

これにより、投資家はファンドに対する出資比率を維持することが可能です。

この追加出資権が使われる場合としては、以下が考えられます。
  • 規制法や投資方針などで出資比率が一定割合以上でなければならないと定められている場合
  • 規制法や投資方針などで出資比率が一定割合以下でなければならないと定められているために出資約束金額が抑えられていたが、金額的にはもっと投資したいと考えている場合