ヘッジファンド持分に関する課税について内国歳入法Section 1260というのがあります。これは、ヘッジファンド持分に関して行われたタックス・プランニングに対応しようとするものなのですが、その内容が興味深いので紹介したいと思います。

1.前提事実 - ヘッジファンド持分に関する課税

投資ファンドは基本的に組合(Limited Liability Partnership)として組成されますが、これは税務上パス・スルー・エンティティであり、ファンドの投資損益は直接投資家に帰属します。

すなわち、ファンドが資産を処分して利益を得た場合、その譲渡益についてファンドの段階での課税は生じず、投資家に対して直接、割合的に帰属することとなります。例えば、ファンドが株式の譲渡により100の投資収益を上げた場合、ファンドの持分を10%保有する投資家は、10の譲渡所得を認識することとなります。ファンドが50利子を受け取った場合、当該投資家は5の利子所得を認識することになります。

アメリカでは(日本でもそうですが)、長期譲渡所得と短期譲渡所得では課税上の取り扱いが異なり、長期譲渡所得の方が圧倒的に有利な取り扱いを受けます。

プライベート・エクイティ・ファンドの場合、その投資は基本的に長期ですので、投資家の所得は長期譲渡所得が主となりますが、ヘッジファンドの場合、その投資は短期である場合が多く、投資家の所得は主として短期譲渡所得となってしまいます。

そこで、この短期譲渡所得を、デリバティブを使って長期譲渡所得に変える商品というのが考え出されました。


続きます。