では、投資家にとって好ましいかどうか。

投資家にとっては、そのままでは特にメリットはありません。

ですが、すでにポートフォリオ会社の買収が終わっているのであれば、投資家としては、買収チームが暇にしていようが、他のファンドのために働いていようが、特に気にすることはありません。(投資から回収した資金を再度投資にあてることができる場合は別ですが、このようなファンドはほとんどないと思 います。)

そのため、ファンド運営者の希望通り、承継ファンドの設立を許容する規定が契約書に設けられることが多いと思われます。

投資家サイドとしては、買収チームのコストが承継ファンドの管理報酬でカバーされることになるので、承継ファンド設立後の管理報酬につき減額を求めることも あります。

管理報酬を減らす場合には、(当たり前ですが)分母を減らす方法及び/又はパーセンテージを減らす方法があります。

分母の減らし方のパターンとしては、
①キャピタル・コールをかけた金額まで減らす、
②ポートフォリオ投資に使った金額まで減らす(管理報酬・組合費用分だけ①より少ない)、
③投資されている金額まで減らす(投資回収下分だけ②より少ない)、
などがあります。

管理報酬の根拠がファンド運営者のコストであることからすると、③が一番フェアなようにも思われますが、買収チームが承継ファンドのために働いても、投資家サイドには特に損失はないはずなので、どの程度強く主張できるかは、当事者間の交渉力次第になります。