続きです。

5.ファンド運営者間の競争

個別のファンド運営者のインセンティブという意味では、前回までの整理のとおりです。

ですが、1点、大事なポイントがあります。
大きなファンドは、それだけ投資家が集まるからこそ大きいのです。

そして、そのようなファンドでは、たとえ2%が適切でなくても、いち投資家が公証することは非常に困難です。

逆に、小さなファンドでは投資家を集めるのが難しいため、ファンド運営者としては管理報酬を安くすることも投資家を集める戦略の一つとなります。

管理報酬は、運用成績に関係なくファンド資産を減少させるものであるため、投資家としては、信用の低いファンド運用者に対して高い管理報酬を払うのには抵抗感があります。

以上より、個別のファンドでの適切なインセンティブという問題を離れて、需要と供給により、ファンドの規模にかかわらず一律2%がだいたいの相場となっているというのが現実なんだろうと思います。

6.最後に(ただの言い訳)

いろいろ考えた挙句、結局一周回って元の立ち位置に戻ってきました。以前も以下の一連のエントリで同じことをやっており、これが芸風になりそうです。
金融危機の原因(頭の整理) その1
金融危機の原因(頭の整理) その2
金融危機の原因(頭の整理) その3
金融危機の原因(頭の整理) その4
金融危機の原因(頭の整理) その5


「ファンドの規模にかかわらず2%が相場となっている理由」という形でスタートすれば賢そうにまとまったのですが、小分けに書いているため、現時点ではもう修正不能です。

頭の中での思考の順序をそのまま書くほうがブログらしいかなぁと思われるので、このままの芸風で行きたいです。本か論文にする機会があれば、その時にはきちんと構成します。

わかりづらいところは補足しますので、このブログのコメントなり、直接口頭でなりでご指摘ください。