米国に、HIRE Actという悪名高い法律があります。正式名をHiring Incentives to Restore Employment Actといいます。略称をHIRE Actにしようと名前を無理してつけた感じからも、かなり邪悪な雰囲気が醸しだされています。

これは、いま話題のFATCAについて定めていたりもします。FATCAについては過去にエントリがあるので、興味のある方はこちらを参照。

今回のエントリは、FATCAではなく、米国源泉利子の源泉徴収についてです。

内国歳入法Section 871(h)とSection 881(c)は、 米国に源泉のある利子について一定の要件を満たす場合、非米国人に対する課税を免除しています。

これまで(3月18日以前)の免除要件は、以下のとおりでした。
  • 記名式のものはあれこれ書類を整えた場合に限り、免除。
  • 無記名式のものは、ゆるく免除。
3月19日以降、下のほうの免除がなくなりました。そのため、無記名で出す社債なんかは30%の源泉徴収が適用されてしまいます。

何が記名式か、というのはIRSがガイドラインを出しています。No.2012-20というのが新しく出たものです。基本的に振替制度を使っていれば記名式でよいのですが、現物債と交換可能だったりすると無記名式として取り扱われます。

いままでは、無記名式にしたほうがお得だったものが、記名式にしないと損するということで、取扱いを変える必要がある場面も多いと思います。

記名式の場合、あれこれ書類を整える必要があるのですが、これについては、FRTO(Foreign-targeted Registered Obligation)の例外というのがあります。2014年1月1日までの時限的なものですが、書類要件について多少緩和されています。