つぎに、マーケットメーカーの責任について。

指定アドバイザーは、市場に売り手しかいなかった場合には買い手になって市場に流動性を供給する義務を負います。NYSEにも、このような役割を負う者がいて、DMM(designated market maker)と呼ばれます。

マーケットメーカーの収益の構成要素をビッド・アスク・ スプレッドの構成要素 その1その2にいろいろ書いたのですが、取引量が十分に確保されないと収益を確保することは難しくなります。

取り扱う取引量が少ないと、スプレッドを大きくしないと収益を確保できませんが、重複上場の場合、本国の市場にも流動性供給者がいます。そして、本国の方 が流通量が大きいということであれば、本国の流動性供給者との競争にはほとんど勝ち目がなさそうです。

こうなると、流通量が少ない→スプレッドが大きくなる→流通量がさらに減る→スプレッドがさらに大きくなる、という市場の失敗のスパイラルです。

本国の市場と裁定取引を中心にして流動性を供給するということも考えられますが、本国の市場でも売り一色であれば、どうなるんでしょうね。

また、本国にマーケットメーカーのような者がいない場合、日本の指定アドバイザーだけが買い手としての義務を負うことになるので本国からも流動性を求めて東京にやってきたりしたら、指定アドバイザーの被害甚大ですよね。


ニュースを見て1時間かそこらで考えをまとめただけなので、理解が間違っていたり、内容に不十分だったりするかもしれませんが、そのときは優しく教えてください。