Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
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カテゴリ:PEファンドへの出資

2.ファンド持分の没収についての考慮事項

不履行構成員の持分没収には、完全に対価なしで没収できるとする場合と、所定の安い価格で没収できるとする場合があります。

没収後の取扱いとしては、ファンド運営者がその持分を売却することになるのが一般的だと思います。没収せずに売却を強制するというアレンジもありえますが、どちらがよいかは会計税務の観点からも検討が必要です。

売却先の決定方法としては、ファンド運営者に裁量を認める方法もありますが、ファンドの既存構成員のほうがファンドのことについて熟知しているので、先買権を与えたほうが望ましい面があります。

売却の強制であれば売却代金は不履行構成員に帰属しますが、持分の没収の場合、これをファンドに帰属させる方法もあります。

なお、没収した持分の買い手を探すのは必ずしも容易ではないので、買い手が見つからなかった場合の対応も検討して契約書に含めておく必要があります。

ファンド持分を消却してしまう方法もありえますが、この場合残された構成員の持分割合が上がってしまうので、規制法や投資方針との関係で問題が発生しないかについて留意する必要があります。

たとえば、ファンドの持分の5%を保有する投資家が、特定のファンドについて5%超の持分を保有してはいけないという投資制限を持っている場合、当該投資家としては不履行当事者のファンド持分を消却すると持分割合が5%を超えてしまうことになるので、そのような取扱いは許容することができません。

3.法的有効性

上記のような手段を契約書に定めたとしても、その法的効力がどの範囲で認められるかについては準拠法によって異なります。

弁護士がレビューしたとしても必ずしも執行可能性を保証するものではありませんので(こちらを参照。)、その点にフォーカスした確認も必要となりますが、先例が多い分野ではないので、明確な回答を出すことは難しい場合も少なくないと思います。
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ファンドの出資形態としてキャピタル・コール方式をとる場合、ファンド構成員はファンド運営者からの要請に応じて随時出資義務を履行する必要があります。

しかし、ファンド構成員がこの出資義務の履行しない場合があります。

1.ファンド運営者のとりうる手段

出資義務の不履行があった場合にどのような対応がされるかについては、ファンド運営者にいくつかの選択肢が与えられていることが一般的です。ファンド運営者は個別の状況に応じてその選択肢から適切なものを選択して行使することとなります。

ファンド運営者に与えられる選択肢としては以下のものがあります。
  • ファンド持分全部の没収
  • ファンド持分を出資した限度まで縮減し、その他を没収
  • ファンド持分の譲渡の強制
  • 将来の利益分配を受ける権利を制限
  • 遅延損害金の請求
  • 損害賠償の請求
  • 議決権を喪失させる
  • アドバイザリー・ボードのメンバー選任権を喪失させる
もちろん、このうちのいくつかについて、自動的に効力を発生されるというアレンジもあります。


続きます。

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