Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
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カテゴリ:米国REIT

1.通常所得の分配

REITの通常所得の分配については、通常の法人から配当を受け取ったように配当可能利益(earnings & profits)の範囲で所得に算入することとなります(Section 857(c)(1))。配当可能利益を超える分配は、資本の返還(return of capital)として非課税となりる一方で取得費(basis)を減らすこととなります。

ただし、Section 1(h)(11)(適格配当所得を純譲渡益に対するレートで課税する規定)の適用においては、制限が定められています(Section 857(c)(2))。

2.譲渡所得の分配

REITの譲渡所得の分配については、保有期間の長さにかかわらず長期譲渡所得として課税されます(Section 857(b)(3))。

3.REIT持分の売却

REIT持分は資本資産(capital asset)にあたるので、譲渡損益は譲渡所得/譲渡損失となります。

ただし、譲渡所得の分配が長期譲渡所得として課税されるのに対応し、保有期間6ヶ月以下のREIT持分に係る譲渡損は譲渡所得の分配額を相殺する範囲で長期譲渡損失として扱われます(Section 857(b)(8))。

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1.所得税

REITに対する課税はSection 857(b)に規定がありますが、基本的にペイスルー型の課税がなされます。

Section 857(b)は、以下のとおり定めています。

(1)がREIT課税所得(real estate investment trust taxable income)について、法人課税がなされると規定しています。

(2)はREIT課税所得の計算について規定しています。配当した分については控除が認められており、いわゆるペイ・スルー型の課税がなされます。

(3)は、未配当譲渡益がある場合、これに対してはSection 1201(a)のレート(通常の譲渡益課税のレート)で課税されることを定めています。

(4)は、抵当流れ不動産(foreclosure property)からの純所得についての課税を定めています。

(5)は、95%テスト又は75%テストを超過する所得についての課税を定めています。

(6)は、禁止取引(prohibited transaction)からの所得についての課税を定めています。

(7)は、再決定賃料(redetermined rent)からの所得についての課税を定めています。

禁止取引については、(6)(B)(iii)に規定があり、Section 1221(a)(1)に定められる資産(売買目的の資産)の売却その他の処分が原則としてこれに該当します。ただし、(6)(C)以下に除外規定又はセーフハーバー・ルールがあります。

再決定賃料については、(7)に定義があり、Section 856(d)に定義される「不動産からの賃料」のうち、課税REIT子会社がREITの賃借人に対して提供したサービスの結果としてSection 482(納税者間での所得又は控除の割付け)の下で減額されたであろう賃料をいいます。

2.消費税

消費税(excise tax)に関する規定はSection 4981にあり、必要分配額(required distribution )が分配額(distributed amount )を上回る場合にはその部分について4%の消費税が課されます。

必要分配額とは、通常所得(ordinary income)の85%と譲渡所得の95%の合計額を言いますので、実際の分配額(厳密には該当条項参照。)がこれに不足する場合には、消費税の対象となります。

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配当要件として、(A)から(B)を引いた額以上を当該課税年度中に配当する必要があります(Section 857(a)(1)(A))。

(A) 以下のの合計額
  • REIT課税所得(Real estate investment trust taxable income)(支払配当の控除を考慮せず、純譲渡益を除外して計算する。)の90%
  • 抵当流れ不動産からの純所得(税引き後)の90%
(B) 超過非現金所得(excess noncash income)

REIT課税所得についてはSection 857(b)(2)に規定があり、通常の課税所得を出発点としつつ、受取配当の控除が許されないなどの調整があります。

超過非現金所得についてはSection 857(e)に定義があり、所定の非現金所得のうち、REIT課税所得(支払配当の控除を考慮せず、純譲渡益を除外して計算する。)の5%を超える部分がこれに該当します。

配当のタイミングについてはSection 858とSection 857(b)(9)に規定があります。

Section 858では、当該課税年度中に支払われたものに加え、当該課税年度にかかる確定申告書を提出する前に配当が宣言され、かつ宣言後最初に到来する通常の配当時期に支払いがなされたものは、確定申告書にその旨記載された範囲で、当該課税年度中に支払われたものとみなされます。

Section 857(b)(9)では、暦年の第4四半期に宣言され翌年の1月に支払われた配当は、12月31日に支払われたものとみなすと規定しています。

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4.保有割合テスト((c)(4)(B)(iii))

課税REIT子会社の持分及び75%テスト上の適格資産を除き、単一の発行者の発行する有価証券に関し、保有割合について以下の制限が課されています。
  • その総資産の5%を超えて、単一の発行者の持分を保有することはできない。
  • 他の単一の発行者の議決権の10%超を保有することはできない。
  • 他の単一の発行者の有価証券の価値の10%超を保有することはできない。
3点目については、Section 856(m)にセーフハーバー・ルールがあり、所定の有価証券は計算に入れないこととされています。

5.資産価格の変動

上記各テスト違反が発生したとしても、それが資産取得直後に当該資産取得を原因として発生した場合を除き、資産要件違反とはなりません。

また、資産取得直後に当該資産取得を原因として上記各テスト違反が発生した場合であっても、30日以内に治癒されれば資産要件違反とはなりません。

6.救済措置

75%テスト、有価証券テスト又は課税REIT子会社持分テストを満たさない場合でも、Section 856(c)(7)(A)に救済措置があります。

合理的な理由があって故意(willful neglect)がなく、発見後に当該課税年度に関する確定申告書別表に必要事項を記入して提出し、かつ6ヶ月以内に治癒された場合には、REITとしての適格を失わないとされています。

また、保有割合テストを満たさない場合でも、Section 856(c)(7)(B)に救済措置があります。

保有割合テストの違反が、所定の範囲内の軽微なものにとどまる場合であって、6ヶ月以内に治癒される場合には、REITとしての適格を失わないとされています。

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資産要件としては、以下の4つを充足する必要があります(名称はオリジナル)。
  • 75%テスト
  • 有価証券テスト
  • 課税REIT子会社持分テスト
  • 保有割合テスト
これらは、各四半期終了時において判定されます。

1.75%テスト(Section 856(c)(4)(A))

資産の価値の75%が不動産、現金及び現金項目(債権を含む。)並びに政府証券で構成されることが必要とされます。

不動産についてはSection 856(c)(5)(B)に定義があり、不動産の共有持分、モーゲージ持分、他のREITの持分のほか所定の短期投資も含みます。

資産の価値についてはSection 856(c)(5)(A)に規定があり、市場価格参照を参照できるものはその価格、その他のものはREITの受託者又は取締役がによる誠実に判断した公正価格が判断されます。

2.有価証券テスト((c)(4)(B)(i))

75%テスト上の適格資産である場合を除き、有価証券はREITの資産価値の25%を超えることができません。

3.課税REIT子会社持分テスト((c)(4)(B)(ii))

1以上の課税REIT子会社の持分は、REITの資産価値の25%を超えることができません。

課税REIT子会社はSection 856(l)に定義されており、一定の例外を除きREITとREITが持分を保有する法人が共同してForm 8875を提出することで、REITに持分を保有される法人が課税REIT子会社となります。

また、課税REIT子会社が持分の35%超(価値又は議決権)を保有する法人も一定の例外を除き課税REIT子会社に該当します。

続きます。
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