Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
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カテゴリ:アメリカ私募ファンド

何が"plan assets"に該当するかについては、Section 3(21)が定義していますが、レギュレーションが詳細に定めています。PEファンドに関係があるのは、29 C.F.R. Section 2510.3-101です。

このレギュレーションは、以下のいずれかに該当する場合、ファンドの資産は"plan assets"に該当しないとしています。

1. ERISA適用ファンド(プラン)の投資先であるファンド(投資先ファンド)の持分が公募された有価証券である場合
2. 投資先ファンドが投資会社法上の登録投資会社である場合
3. 投資先ファンドが"operating company"に該当する場合
4. プランが投資先ファンドに対して投資する割合が"significant"ではない場合

3.の"operating company"は、投資事業以外の事業を行うエンティティのほか、"venture capital operating company"(VCOC)と"real estate operating company"(REOC)を含みます。

VCOCは、大まかに言うと、以下の要件を満たすことが必要です。
(i)簿価ベースで資産の50%以上をベンチャーキャピタル投資(経営権を取得する投資)又はこれに付随する投資に充てていること、
(ii)通常の事業の過程において実際に1社以上につき経営権を行使すること。

REOCは、大まかに言うと、以下の要件を満たすことが必要です。
(i)簿価ベースで資産の50%以上を運用型又は開発型の不動産投資に充てていること、
(ii)通常の事業の過程において、運用又は開発に直接従事していること。

4.の"significant"な投資については、1以上のプランからの投資合計が投資先ファンドの25%未満であることが必要です。


細かいルールは、レギュレーションを見た方がわかりやすいと思うので、特にまとめません。

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前回の悩みに対する一応の解答です。

いろいろと検索した結果、このサイトを見つけました。これをベースに考えると、以下のとおりです。

受任者義務を具体的に定めるSection 404やSection 406は、"fiduciary"の義務を定めています。

そして、この"fiduciary"はSection 3(21)に定義されています。

Section 3(21)は、"plan assets"という語は使っていませんが、"its asset"や"moneys or other property"という語は出てきます。

"plan assets"は、これらの語句の内容を定めるものと理解すれば、条文として意味がとおります。この他に解釈の方法もなさそうなので、確証はないものの、これでOKではないかと思います。

まとめると、以下のようになります。
「Section 404やSection 406などの責任を負うのは"fiduciary"であるため、PEファンドは、これに該当しないよう、ファンドの資産が"plan assets"とならないようなアレンジを行う。」

何が"plan assets"にあたるかについては次回まとめます。


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PEファンドとしては、ERISAの規制を免れるため、ファンドの資産が"plan asset"に該当しないように配慮します。

"plan asset"の定義はSection 3(42)にあり、具体的な内容はレギュレーション(29 C.F.R. Section 2510.3-101)に定められています。

なんで、"plan asset"が問題になるかについて、条文をいろいろ見たのですが、いまひとつ確証は得られませんでした。

次回はその一応の解答をまとめますが、今回はその悩みの過程をまとめてみます。

まず、ERISAの適用対象である、
"employee walfare benefit plan"や"walfare plan"(Section 3(1))、
"employee pention benefit plan"や"pention plan"(Section 3(2))、
"employee benefit pnal"や"plan"(Section 3(3))
の定義に関連するのではないかと見てみても、"plan asset"なる語は使われていません。

というか、そもそも、定義を定めるSection 3では、"plan asset"の定義を定める(42)以外に"plan asset"は出てきません。

次に、ERISAの適用範囲を定めるSection 4を見ても、"plan asset"は出てきません。

さらに、受任者義務(Fiduciary Duty)の適用範囲を定めるSection 401を見ても、"plan asset"は出てきません。個別の条文であるSection 404やSection 406を見ても、"plan asset"は出てきません。


続きます。


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ERISAとは、Employee Retirement Income Security Actを表します。

年金ファンドなどからの出資を受ける場合には、このERISAが問題になり、多くのPEファンドの契約書には、ERISAに関する規定が入ってきます。

そこで、PEファンドとERISAの関係について整理してみます。

なお、ERISAはTitle 29の一部として制定されたため、Title 29におけるセクション番号と、ERISAとしてのセクション番号が食い違っています(詳しくはこちら)。左にもリンクのあるCornell University Law Schoolのサイトでは、Title 29のセクション番号が記載されていますが、以下ではERISAとしてのセクション番号で書いていきます。

ERISAは、年金ファンドなどにおける出資者保護を目的として、資産運用などについて厳格な制限を課しています。

主たるものとしては、受任者義務(Section 404)のほか、利害関係者(party in interests)との取引禁止があります(Section 406)。利害関係者の定義はSection 3(14)にあります。

利害関係者の定義は広く、ERISAの対象となるプラン(Plan)に参加する従業員の雇用主やその親会社、子会社、主要株主を含みます。そして、合理的な条件かどうかを問わず取引が禁止されるので、これに違反しないように注意するのはかなりの労力を伴います。

そこで、PEファンドはERISAが適用を受けないようなアレンジをします。


続きます。


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UBTIとは、unrelated business taxable incomeの略です。
非課税法人(tax exempt entity)が、その目的外の行為で収益を得た場合には、非課税にした趣旨から外れるので、その収益は課税対象とされます(IRC Section 511以下)。

基本的に、利子、配当及び有価証券の売却益については、UBTIではないので、そんなに問題はなさそうですが、以下のような問題があります。

あるPEファンドが事業を行っている組合(投資対象組合)に投資した場合、その投資対象組合の利益は事業からの所得となります。投資対象組合もPEファンドもパススルー・エンティティなので、PEファンドの投資家たる非課税法人に帰属する収益はUBTIに該当することとなります。

この問題は、非課税法人と投資対象組合の間に会社を挟むことにより、避けることができます。ファンド契約において、代替投資ビークル(Alternative Investment Vehicle)を使うことができるという規定がありますが、代替ファンドはこの目的で使われることもあります。

ただし、会社レベルでの利益に対しては法人税はかかります。法人を税率の低いところに置けるかどうかなどを検討する必要があります。

また、借入れを財源とする収入(debt-financed income)にUBTIに該当します(IRC Section 514)。

何がこれに該当するかについては、Section 514(b)の定義を見ていくことになります。

これを避けるためにも、上記の代替投資ビークルが使われることもあります。



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