Biz Law Hack - 別館

半匿名ブログで過去に書いた法律記事をこちらに写しました。
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カテゴリ:アメリカ公募ファンド

投資会社法Section 35(d)には、投資会社の名称についての規制があり、投資会社の名称又は発行する有価証券の名称について、欺まん的又は誤解を招く名称の使用を禁止しています。

その具体的なルールは投資会社法Rule 35d-1に定められており、以下のような名称は欺まん的又は誤解を招く名称だとされています。
  • 米国政府による保証又は承認を示唆する名称
  • 特定の投資対象又は産業に集中して投資することを示唆する名称(80%以上投資する場合はOK)
  • 特定の国又は地理的範囲に集中して投資することを示唆する名称(80%以上投資する場合はOK)
  • 非課税ファンドであると示唆する名称(80%以上投資する場合はOK)
この他についても、「指数連動」などといった名称が実態に即していない場合、欺まん的又は誤解を招く名称に該当しえます。

また、ファンド自身が法人税を免れるだけではなく、分配金も投資家レベルで非課税であることを示唆する名称の場合、非課税対象となる資産に95%以上投資していなければ、欺まん的又は誤解を招く名称に該当します。

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c. 特別な目的をもつエンティティ用

Section 3(c)(8)は、1935年公共施設保有法(Public Utility Holding Company Act of 1935)の適用を受ける会社を除外しています。

Section 3(c)(9)は、原油、ガスなどの資源に対する採掘権(royalties)、賃借権(leases)又は部分的持分(fractional interests)などが主たる事業である者を除外しています。

Section 3(a)(10)は、宗教、教育、慈善などを目的とする非営利のファンドを除外しています。

Section 3(a)(11)は、投資会社以外の会社1社の有価証券のみで構成される議決権信託(voting trust)を除外しています。

Section 3(a)(12)は、譲渡性預金証書(certificates of deposit )及び短期手形(short-term paper)のみを発行する担保権者の保護委員会(protective committee )を除外しています。

Section 3(a)(13)は、内国歳入法の定める教会プラン(church plan)を除外しています。


なお、細かいルールは、別途Rule 3a-1以降に定められていますが省略します。

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3.除外ルール

上記の原則ルールに該当したとしても、Section 3(b)と(c)に列挙された事由に該当する場合、投資会社の定義から除外されます。

(1) 割合要件からの除外

Section 3(b)は、Section 3(a)(1)(C)、Rule 3a-1からの除外を定めています。

ざっくり言うと、有価証券の保有割合が多くとも、有価証券への投資・保有・トレーディング事業以外の事業が主たる事業である場合には、この除外規定を使うことができます。

(2) 主たる事業要件からの除外

Section 3(c)は、Section 3(a)(1)(A)(有価証券の投資又はトレーディングを主たる事業とするもの)からの除外を定めています。

a. 私募ファンド用の除外事由

Section 3(c)(1)と(7)です。これについては以前まとめたので、こちらこちらこちらを参照。

b. 金融機関用の除外事由

Section 3(c)(2)は、有価証券の引受け及び分売を行う投資銀行、ブローカー、ディーラーなどの業務が主たる収益源である者を除外しています。

Section 3(c)(3)は、銀行や保険会社などの金融機関を除外しています。

Section 3(c)(4)は、実質的に消費者金融(small loan)、商工ローン(industrial banking)業務のみを行う者を除外しています。

Section 3(c)(5)は、製品、保険、サービスなどの対価に関する事業を行う者を除外しています。具体的には、償還可能な有価証券(redeemable securities)、分割型額面証券などの発行を行わない者であって、以下の事業のひとつ以上を行っている者が除外されます。
  • 製品、保険及びサービスの対価を表象する債券、手形などの取得
  • 製品、保険又はサービスの製造業者、卸売業者もしくは小売業者又はその潜在顧客に対する貸付
  • モーゲージその他不動産の担保権の取得
Section 3(c)(6)は、Section 3(c)の(3)から(5)までの事業に関連して、以下のいずれかに該当する者を除外しています。
  • Section 3(c)の(3)から(5)までの事業のひとつ以上を自らもしくは子会社を通じて行うことが主たる事業である
  • Section 3(c)の(3)から(5)までの事業からの収入が会社の総利益の25%以上であり、当該事業とその他の投資・保有・トレーディング以外の事業が主たる事業である

あと1回だけ続きます。


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2.原則ルールのための定義

原則ルールを読み解くための定義は以下のとおりです。

「発行者」はSection 2(a)(22)に定義されていますが、漠然としていて、範囲を限定する意味はあまりありません。

「有価証券」はSection 2(a)(36)に定義されています。基本的なところは日本と変わりませんが、細かい点は違うので注意が必要です。

「分割型」「額面証券」はSection 2(a)(15)に定義されています。が、今日ほとんど発行されていないようなので、省略。

「投資有価証券」はSection 3(a)(2)に定義されていますが、省略。

「政府証券」はSection 2(a)(16)に定義されています。米国政府又は米国政府に支配もしくは監督され、かつ米政府の手段として活動する者が発行し又は元本もしくは利子について保証する有価証券(又はその預託証券)を意味します。

「従業員有価証券会社」は、「政府証券」はSection 2(a)(13)に定義されています。詳しくは日本の状況と比較して別途まとめる予定ですが、従業員持株会のようなものです。


続きます。

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1940年投資会社法ではどのようなエンティティが規制対象となっているかについてまとめてみました。

なお、アメリカのファンドが「会社型」といわれる点についてはこちらこちらを、投資会社の分類についてはこちらを参照。

1.原則ルール

「投資会社」は、投資会社法Section 3に定義されています。

Section 3(a)(1)は、原則ルールとして、以下のいずれかに該当する発行者(issuer)が投資会社に該当するとしています。
  1. 有価証券(securities)の投資又はトレーディングを主たる事業とするもの
  2. 分割型額面証券(face-amount certificates of the installment type)の発行事業に従事するもの
  3. 有価証券への投資・保有・トレーディング事業に従事し、非連結ベースで総資産の40%を超えて投資有価証券(investment securities)を保有するもの
ただし、3点目は、Rule 3a-1で修正されており、以下の要件を満たす場合にのみ投資会社に該当するとされています。
  • 保有する有価証券(政府証券、従業員有価証券会社の発行する有価証券、投資会社ではない子会社の発行する有価証券などを除く。)が総資産の45%以下
  • 上記の有価証券からの収益が税引き後純利益が45%以下
なお、投資会社に該当するためには、その組織形態は問われません。
組合、信託、法人その他どのような法形式であろうと、上記の要件に該当すれば、原則として「投資会社」となります。

上記を理解するための定義と上記原則からの除外規定については次回以降に続きます。


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